漢方養生といえばバランスよく生活するというイメージです。実は細かくみていくとただ食べる、動く、休むだけじゃないですよ!それぞれの注意点や知識がいるのでこの記事で分かりやすく解説しますね
本記事の内容
・動-食-休養生の考え方解説
・漢方基礎の考え方
動養生とは
心養生は呼吸と心の養生法に対して動養生は呼吸と体の養生法になります。呼吸を意識しながら体を動かす、それを「導引吐納」(どういんとのう)と言います。
「流れる水は腐らない」と同じ考え方で、体を動かせば気血の流れは腐らないと言う事です。体を無理しない程度で動かすことによって、気血をめぐりらせ、自然治癒力を高めて外邪を防ぐことができます。
ただし、効果が現れるまで時間がかかるのでゆっくりと時間をかけて行いましょう。
動功
動功は気功の一種です。
呼吸と心を整えながら体を動かし、それによって筋肉だけではなく内臓、皮膚などを鍛える事ができますよ!
西洋だと、「ヨガ」が動功に一番近いかもしれません。
東洋だと、「太極拳」が一番知名度が高いです、そのほか
四大動功「易筋経」、「五禽戯」、「六字訣」、「八段錦」があります。
「太極拳」に興味ある人は知っているかもしれませんが、流派によって動きが違ってたりしますが、簡略化された「24式太極拳」は初心者に優しいです。
ぜひ調べてみてください。
実は日本にも皆知っている動功がありますよ。
それは「ラジオ体操」です!!
ぜひ積極的に体を動かす時間をちょっとでも増やしてみてください!!
心養生とは
前にも言いましたが本当の健康は心と身ともに健康である事、心を意識してケアする事は大切になります。
静功/瞑想
静功は*気功の一種です。
*(気功の「気」はエネルギー生命力、「功」は鍛えると言う意味です。)
一定の姿勢を保ちながらを息と心のバランスを整えます、多忙な現代人は何も考えず何もせずに静かにする事は中々難しいと思うので、そこを意識して、寝る前でも良いし、朝起きてすぐでも良いし、心と息を落ち着かせる時間を作りましょう。
目と耳からはたくさんの情報が入ってきます、
その情報たちが心を乱れてしまうので、静功や瞑想するときは
目を閉じ耳を静めて、出来るだけ外部の刺激や雑念を減らして行なってください。
食養生とは
食養生とは、食べ物の性質や効能を活かして、食事を通してケアする事です。
人は食べ物の栄養によって生命活動を維持し、何も食べずには生きてられないのは人間です。度を超えたダイエットや暴飲暴食はもちろん体に悪いし、不調を起こします、もちろん、体調によって食事を抜いてたりしたほうがいい時もありますが、それも食養生といえます。
「穀」「畜」「菜」「果」
「穀」はお米や麦、豆類など主食になる食べ物。
「畜」は家畜、お魚など肉類
「菜」は野菜類
「果」は果物類
「*気」の字は「氣」とも書きます、
(*気とは目に見えない体のエネルギー)
真ん中には「米」の字が入ってますよね、昔から主食になる「穀」は私たちに元気を与え、「畜」の肉類は力をくれて、「菜」は食物繊維やほかに足りない栄養素を補充し、「果」は消化を助けます。
それらをバランスよく食べる事によって私たちは健康、元気を保っています。
よく噛む事の重要性
よく噛むことによって食べ過ぎを防止し、食べ物が口の中で唾とよく絡む事で消化を助けます。胃腸の負荷を減らすことによって気の消耗が減り、気の生成にも補佐出来ます。そして、味覚や脳の発達にもいいと言われていますよ!
薬膳
漢方理論にもとづき、
体調、季節などを考えながら食事を作っていく食養生法の1つです。
- 薬食同源
漢方薬といえば皆さんは「薬草」「草」のイメージがあると思いますが、
実は日常に食べてる物の中でも漢方薬として使われてるものがあったりします。
例えば:ナツメ=棗、シナモン=桂皮、山芋=山薬などは食薬と呼ばれています。
それが「薬食同源」と言うわけです。
四気(属性)
食べ物には5属性に分かれています↓
「寒」「涼」「平」「温」「熱」
字の通り、
「寒涼」は熱を冷ます性質で、
「温熱」は温める性質で、
「平」はどっちでもなく穏やかな性質です。
「寒涼」の代表食べ物:スイカ、トマトなど
「温熱」の代表食べ物:ニラ、生姜など
「平」 の代表食べ物:トウモロコシ、ジャガイモなど
五味
「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹(塩味)」
は五味といい、それぞれ違う働きがあります。
- 「酸」の働き
収斂、固渋(こじゅう)
引き締めたり、気血水の漏れを止めたりします。
頻尿や下痢などに効果あり!
食材:梅、お酢など
- 「苦」
清熱、瀉下、燥湿、降逆
熱を冷ましたり、便を出したり、
湿をとったり、上がった気を降ろしたりします。
便秘や熱などに効果あり!
食材:菊花、苦瓜など
- 「甘」
緩和、補益、調和
痛みを緩和したり、疲労回復したり、
生薬と食材の調和をしたりします。
疲れやだるさに効果あり!
食材:ナツメ、蜂蜜など
- 「辛」
発散、理気、理血
汗を出して邪気を発散させたり、
気血を巡らせたりします。
風邪やお腹が張るなどに効果あり!
食材:ネギ、生姜など
- 「鹹(塩味)」
軟堅散結(なんけんさんけつ)、瀉下
固いものを柔らかくしたり、
便を出したりします。
便秘、しこりなどに効果あり!
食材:昆布、海藻など
効果があるとはいえ、摂りすぎるとバランスが崩れて、不調が現れる可能性もあるのでバランスを考えながら食べてくださいね。
帰経
帰経とは、食べ物がどの臓腑に効果が発揮するかを示すものです。
例えば、モモとサクランボ。どっちも「甘、温」の果物ですが、モモは大腸経で乾燥気味の便秘に効果があり、サクランボは脾経で気を補い疲労回復に効果があるといった感じですね。
帰経が違うので、効果を発揮する臓腑も違うわけです。
酒
酒は米や穀物を発酵させて作られたもので少量を飲むと血行促進の効果があり、体を温め、痛みを緩和する事ができますが、大量に飲むと健康に損なってしまう事があるので健康を損なわないよに飲んでください。
茶
お茶は「万病の薬」と言われ、
ダイエットや栄養補給、長寿にも効果があるとも言われています。確かに、食べ過ぎたと思う時はお茶を飲んでたり、夏は緑茶を飲んだり、冬はほうじ茶を飲んだりしますよね。
昔から私たちは季節や体調によってお茶を無意識で飲んでるかもしれません。
休養生とは
簡単に言うと、休憩、休息、休む事です。過労になりがちな私たちは動くと休むのバランスを意識しないと過労死や体調を崩すことに繋がります。
もちろん、休み過ぎると気血が滞り、健康に良くないので、良いバランスとリズムで生活を送りましょう。
質の良い睡眠
漢方の考え方には「陰陽説」があり、夜は「陰」で、朝は「陽」になり、「陰」の時間は「気」を蓄え、「血」を作る時間なので、しっかり体を休みせる事が大事です。
できれば23時までには就寝し、太陽が昇る時に起きましょう。もちろん、体の状態に合わせて調節するのも大事です。
(私、冬は23時〜7時、夏は22時〜6時にしてます。)
ちなみに、なぜ23時までに就寝した方がいいのかと言うと、
23時〜3時は肝と胆の造血時間なので、体の修復活動が活発する時間帯からです。特に女性にとって造血の時間帯はとても大事です。
半身浴
多くの人がシャワーで済ましてると思いますが、それだと体の表面は洗えますが、内面の疲れやストレスは残ります。
気持ちを落ち着かせるのも養生の1つなので、ぜひゆっくり半身浴に入り、心身とも癒してください。
疲れがひどい時や体力が落ちてる時は入浴時間を短めにしてくださいね。
香り
香りは「気」のめぐりを促進する効果があります。アロマでもいいし、入浴剤でもいい、コーヒー豆を挽いて香りも全然いいので自分の好きな香り、落ち着く香りを見つけましょう。特に気滞、瘀血タイプの人にはとてもオススメです。
ストレッチやツボ
OLさんやサラリーマンたちは同じ姿勢で何時間も作業してる事が多いと思いますが、ずっと同じ姿勢が続くと「気血」のめぐりが悪くなりやすいです。
それで疲れが溜まったり、不調が出たりするので、できれば2~3時間ごとに軽く体を伸ばしましょう!!
おすすめツボ「内関」
↑「内関」は「気」のめぐりを良くし、頭痛を和らげる効果があります。
場所は手首の横線から2インチのところにあります、
指の太さにもよりますが約2.5~3本指のところです。
おすすめツボ「労宮」
↑「労宮」は「血」の流れを促進し、疲労回復や緊張を和らげる効果があります。
場所は掌の中心、中指の下に位置します。
この「内関」「労宮」はいつでも何処でも簡単に押せるツボなのでぜひ活用してみてください。
大自然に触れる
漢方は自然哲学の一種で、「天人合一」と言う言葉があるくらいですから、自然と一体になり、新鮮な空気を吸い、自然の音や風、香りを感じることが大事です。
心身ともリセットできるのでぜひ公園でも行ってみてください!!
まとめ
- 体を回復させるために早め(23時ごろ)に寝る
- 疲れやストレスをためずに半身浴して心身を癒す
- 好きな香りで「気」のめぐりを促進し、心身を落ち着かせる
- ストレッチで硬くなった体を伸ばす
- ツボで「気」「血」のめぐりを促進する
- 自然と「天人合一」して心身をリセットする
難しそうに見えますが、簡単に考えれば早寝早起、バランスよく旬の物を食べる、ストレス溜めずにちゃんと休むって事です!
ぜひ生活習慣や食事習慣を一度見直してみてください!
ご愛読ありがとうございます
漢方養生の本場香港で育ちてられたロン毛が
本場の養生を分かりやすく解説する動画をどうぞ
小学生でも分かるようにクセのある日本語でお伝えします。