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更年期とは?漢方で更年期障害を予防&改善する方法【詳しく解説】

更年期障害とは
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女性には必ず通る道「更年期」。更年期に入ると、体には様々な変化が起こります。

例えば:ホルモンバランスが崩れる、内臓の機能が低下するなど

健康に影響を与えてしまいます。現在女性の平均寿命が87歳になり、これからは100年人生と言われている中、更年期の後には40〜50年もあります。

更年期は女性が必ず経験する時期ですが、必ず苦しい、しんどいとは限らないです。早めに更年期症状を気付けばある程度予防やしんどさを抑えることが出来ます。薬の治療以外にバランスの良い「食生活」「生活習慣」「運動」「心の状態」は更年期を乗り越えるために大事な要素です。

ぜひ更年期の事を知り、養生して更年期障害を予防しましょう。

更年期障害の食事改善法

更年期は病気ではなく未病状態だから漢方養生の得意分野になります。漢方から見ると更年期は「陰陽失調」と「腎精」の衰えが原因と考えています。それで食薬を食べることによってバランスを取り、補うことが出来ます。

補気「疲れやすい、胃下垂、食欲がない、少食、声が小さい」などナツメ、蜂蜜、鶏肉、牛肉、羊肉、うなぎ、イカ、山芋、イモ類、ピーナッツ、もち米、高麗人参、甘草など
補血「顔色悪い、貧血、めまい、不眠、しびれ目の疲れ」などナツメ、にんじん、ほうれん草、鶏肉、羊肉、レバー、ライチ、葡萄、キノコ類、豚足、枸杞の実、高麗人参など
補陰清熱「のぼせ、イライラ、寝汗、暑がり」など梨、レンコン、枸杞の実、アワビなど
補腎「耳鳴り、足腰だるい、寝汗、頻尿」などゴマ、黒豆、くるみ、栗、さくらんぼ、牛乳、エンドウ、エビなど
補津液「口が渇く、喉が乾く、乾燥肌、便秘、鼻血」など梨、レンコン、ユリ根、柿、枇杷、ハチミツ、牛乳、麦冬など

更年期女性の食事は野菜多めで肉少なめ、毎食違うものを食べるようにし、様々な栄養をバランスよく摂りましょう。

糖分、油分、塩分が高いものは肥満だけでなく、むくみ、血糖値、血圧などを引き起こすため控えたほうがいいですね。

タバコ、お酒、濃いお茶、コーヒー、冷たいもの、生ものなど刺激が強い物は内分泌失調に繋がるので程々にしたほうがいいです。

そして、タンパク質とカルシウムの摂取も忘れずに。

更年期とは

女性の月経が絶える前後の時期が更年期になります。

卵巣の機能がピークから少しずつ下がり最終的に月経が完全停止してしまいます。もし持病や薬の影響がなく、自然に12ヶ月以上月経が来なかった場合は「閉経」となり、赤ちゃんを授かることができなくなります。

閉経は40歳〜65歳の間に起きると言われていて、平均的には50歳〜51歳あたりが一番多いです。

卵巣の機能が低下し始め、ホルモンバランスが崩れやすくなり、精神不安定や血管疾患、神経系疾患になる可能性がありますが、変化に敏感な人がいれば、何も感じないまま更年期が終わる人もいます。

更年期の前半と後半

更年期の始まりから終わるまでは10年前後かかると言われています。長い人は20年近く続く人もいますよ。

  • 前期

体内のホルモンバランスが少しずつ変化し、閉経への準備をしている時期です。一般的に45歳前後に始まりますが、体質によって30代後半から始まる女性もいます、女性ホルモンの分泌が少しずつ減り、排卵と月経が不規則になりやすいです。赤ちゃんが出来る機能が少しずつ低下し、この前期は約4〜5年続くと言われています。

  • 後期

連続12ヶ月に月経が来なかった場合は「閉経」と考えます、閉経後約10年に渡り女性ホルモンの分泌がさらに減っていきます。女性ホルモンの減少により、血管疾患や骨粗しょう症になりやすくなります。

更年期障害は必ず現れるものではない

生活習慣、環境、体質、人種などによって人それぞれです、極端的に酷い人もいれば、何も感じない人もいます。同じ年齢な女性でも同じタイミングで同じ症状が現れることはほとんどないと思います。

更年期は自然的な現象なので、恐れる事はないと思います、逆に心配しすぎて精神的ストレスを与えてしまうことによって症状が悪化することがあります。統計データによると閉経後に何も感じない女性は約20%、軽い症状軽い不調を感じる女性は約70%、酷くて生活に支障が出るほど感じる女性は10%と言われています。

更年期障害の症状

更年期に入るタイミングは遺伝、生活習慣、持病などに左右されます。早い人もいれば遅い人もいますよ、一つの目安としては月経のリズムが変わる事です。周期が長くなったり、短くなったり、またはいきなり止まってたりすると更年期に入った可能性が高いです。更年期に入ると以下の症状が現れやすくなります。

  1. 睡眠質が低下
  2. 性欲が減少
  3. 皮膚が乾燥しやすくなるツヤがなくなる
  4. 記憶力が低下
  5. 疲れやすいやる気が出ない
  6. 汗をかきやすくなる
  7. イライラしやすくて情緒が不安定
  8. のぼせ、暑がりになる「ホットフラッシュ」
  9. 頻尿

これらの症状は一時的なものが多いです。

更年期を防ぐ事は出来ないですが、更年期障害の予防は出来ます実は原因の多くはストレス、栄養失調、運動不足などの生活習慣です。平穏な更年期を過ごしたい人はぜひ一度生活習慣、食事、運動を見直しましょう。

漢方で更年期を解説

中国の古典「素問」に

七七任脈虛,太衝脈衰少,天癸竭,地道不通,故形壞,而無子也。

という文章があります、漢方では女性は7年周期で体が変わっていくと考えているので、「七七」とは49歳の事になります。49歳前後からは腎気(生命エネルギー)が少しずつ衰え、天癸(生殖能力・月経)が止まり、妊娠することができなくなると書かれています。

腎気/腎精は私たちの生命エネルギーなので、衰えてくると体の陰陽バランスが崩れ、免疫力が低下してしまいます。

更年期障害になる三大原因は陰虚、腎気虚と腎精虚(以下腎虚と書く)です。

陰虚の典型的な特徴は

  • のぼせ
  • 顔が赤い
  • 手足が熱い
  • 寝ている時や動かなくても汗をかく
  • 頭がふらふら
  • 耳鳴り
  • 腰や背中が疲れやすくて痛い
  • 月経周期が乱れる
  • 大便が乾燥していてコロガチ便が出る

腎虚の典型的な特徴は

  • 疲れやすくて力が出ない
  • 腰が痛い
  • 手足が冷えている
  • 寒がり
  • むくみやすい
  • 大便が形にならない/軟便
  • 小便が透明っぽく量が多い
  • 夜中小便のために起きてしまう
  • 性的機能の障害

そして、漢方の五臓六腑は繋がっているので、腎虚ということは他の臓腑にも影響を与えていると考えます。

肝蔵血、腎蔵精

肝と腎は深い関係を持っていて、腎虚によって肝の陽気が強くなりすぎてしまう事があります(肝陽上亢)、症状としては頭痛、めまい、イライラする、怒りやすい、睡眠障害、血圧不安定、月経周期の乱れなどと考えられます。

そして、イライラする事が長引くと肝気鬱結に繋がり、気滞と瘀血が発生してしまいます。お腹や胸が張って痛くなったり、理由もなくうつ気味になり、泣きたくなたり、思い悩みやすくなったりします

心腎相交

心と腎は相互に作用し、相互に抑制しています。

腎が津液を心に送り、心の熱を冷ましていて、腎虚になると心の熱が過剰になり、お互いコントロールが効かなくなる事を心腎不交と言います。症状としては、睡眠障害、動悸する、イライラする、物忘れが激しい、夢が良く見る、ちょっとした事で驚いたり、怖がったりする、喉が乾きやすいなどと考えられます。

更年期障害は多変で複雑

更年期に入ると、女性は生殖機能がある体から生殖機能がなくなる体になり、臓腑の状態が常に変わり、バランスが崩れやすくなります。

生活習慣や食事、生活環境、ストレスなどの影響で更年期障害はさらに複雑になります。気虚、気滞、血虚、瘀血、水滞が同時に現れる事もありますが、大きな原因はやはり、肝腎の虚証、陰陽失調が良く見られると思います。

それ以外、老眼、視力の低下、集中できない、記憶力低下、便秘などの不調も出てきます。

月経問題

閉経前期にはホルモン分泌の影響で排卵周期が乱れやすいです。この症状が一番分かりやすいので多くの女性は最初に気づく症状と言われています。閉経前の1〜2年にはこの症状が一番ひどい時期になります

例えば:月経量が多かったり少なかったりする、周期が不安定、出血が止まらない、間歇性閉経したりします。月経前には、胸が張り、頭痛、月経痛、むくみなどがいつもより酷い場合もあります。

漢方の考え方

月経の不調は体が出しているサインと考えます、主に肝腎虚、気血の失調に関わります。

  • 血熱 – 出血の量が少なくて色が鮮やか、出血が長い、イライラしやすくて不眠気味。
  • 血虚 – 月経が遅れる場合が多い、出血量が少なてく色が薄い、顔色が蒼白で痩せている。
  • 瘀血 – 出血量が多く、色が暗めで血の塊が出る場合がある、下腹が痛い。
  • 気虚 – 月経が早まったり、月に2〜3回来る場合もある、量が多く色が薄くてサラサラしている。疲れやすくて、月経痛がする。

イライラする精神情緒の変化

更年期に入り、ホルモンバランスが崩しやすい上にストレスや疲れを加えて精神的変化がさらに激しくなる傾向があります

よくあるのは、疲れやすい、やる気が出ない、周りの事に無関心、イライラする、怒りやすい、情緒の波が激しい、うつ気味、思い悩みやすい、安全感がなくなる、記憶力低下、集中できないなど精神的な症状が現れます。酷い人には精神病になりかける場合もあります。

しかし、精神的変化は必ず現れるものではなく、全く何も変化がなく更年期を過ぎてしまう女性もたくさんいます。生活環境、お仕事、性格なども要素になります。出来るだけ楽観的考え方、前向きな気持ちを保ちましょう。

漢方の考え方

閉経前後には腎気、精、血が衰え、気血のめぐりが乱れ、火邪に襲われやすくなります。良くある4大症状をご紹介します。

  • 心肝陰虚

精神的に憂鬱になる、情緒不安定、暑がりで落ち着かない、酷い時は微熱が続く。月経不調や月経痛があり、胸が張り痛みを感じる場合もあります。

  • 陰虚火旺

落ち着かず睡眠障害が現れる、イライラして怒りっぽい、口や喉が乾燥しやすい、小便が黄色い、大便が硬くてコロコロする、唾液の分泌が少なくなります。

  • 心腎不交

物忘れ、イライラする、睡眠障害、夢が多く見る、頭がフラフラし耳鳴りがする、足腰がだるくて痛い場合もある、口や喉が乾く、口内炎ができやすい、月経が乱れやすいです。

  • 気滞痰結

精神的に憂鬱になる、うっとりする、疑心暗鬼になる、思い悩む、不眠、喉に異物感、お腹が張る、疲れてる時や情緒不安定の時に症状が悪化する。

更年期の泌尿器系の不調

閉経後に女性ホルモンの潤いが少なくなり、皮膚の粘膜が薄くなり、筋肉がゆるくなりやすくなります。陰道が乾燥気味になり、炎症、かゆみ酷い時痛みまで感じる時もあります。膀胱や尿道の皮膚が縮み、泌尿器系の感染、頻尿、失禁、残尿感などを感じることもあります。

漢方の考え方

泌尿器系は膀胱が司り、腎の気化作用で働いていると考えます。更年期の泌尿器系不調の症状は以下になります。

  • 腎陰虚

小便の回数が多く残尿感がある、尿が黄色くて熱を感じる、足腰が疲れやすい、手足が常に熱い、頭がフラフラ、耳鳴りがする。

  • 腎気不固

小便の回数が異常に多い、失禁する時もある、尿の量が多く透明っぽい、精神的に疲れやすい、寒がり、足腰が疲れやすい、足が無力感がある。

  • 肝気鬱結

情緒が激しく上下する時に失禁しやすい、尿の量が少ない、うつ気味、胸に圧迫感、お腹が張る、ため息が頻繁に発する。

  • 湿熱鬱結

尿意があるが出たり出なかったりする、尿が黄色い、尿道が熱を感じ小便する時痛みが感じる時がある、口が乾きやすい、口の中が苦い味がする、便秘気味。

陰道の不調

陰道は生殖系統の一部であり、腎と脾胃の気血が満ちていてめぐりも良ければ陰道は潤い、不調も現れないと考えます。

  • 肝腎陰虚

陰部が乾燥しやすい、痒みがあり熱を感じる、暑がりで汗かきやすい、喉が乾くが水を欲しない、耳鳴り、足腰が疲れやすい。

  • 血虚乾燥

陰部がかゆい特に夜、外陰部が乾燥し酷い場合は粉がふくほど、頭がフラフラする、めまいもある、不眠、夢が多い、物忘れが激しい、顔色が黄色っぽく、大便が硬くて乾燥している。

  • 下焦湿熱

陰部がかゆくて酷い時は痛みを感じる、落ち着かない、陰部の分泌物の量が多くて黄色っぽい、酷い時は麹のような分泌物が出る場合もある、臭いがキツイ、胸が圧迫感を感じる、口の中が苦い味がする、小便が少なくて黄色い。

  • 子宮虚寒

おりものが多くて透明または卵白のような色、臭いはしない、腰や下半身が冷えていて痛い場合がある、小便回数が多くて特に夜。

 

ここまで読んでくれた人はある程度「更年期」のことを理解できたと思います。誰も避けられない通り道なので、少しでも不調を抑えられるように笑顔で乗り越えましょう。

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