本記事の内容
・陰陽とは?陰陽論
・五行とは?
漢方の資格を取りたい人や興味のある人が絶対知らないといけない漢方理論の一つです。
抽象的かもしれませんが、わかりやすく解説します!
漢方養生における陰陽とは?
陰陽とは自然哲学であり、宇宙観です。
中国の医学古典《黄帝内経》の中に
黃帝曰:陰陽者,天地之道也,萬物之綱紀,變化之父母,生殺之本始,神明之府也,治病必求於本。
*黄帝内経を引用
陰陽は天地の道、万物や変化の元などを述べている、この哲学思想が漢方医学や養生学の基本となっています。
陰陽論とは?
陰陽論とは、宇宙万物、森羅万象のすべてが「陰」と「陽」で成り立っているとして理論です。
陰陽は相手によって変化し、「対立」「依存」「消長」「転化」する特徴があります。
生殺之本始,神明之府也,治病必求於本。
万物の「始まり」「終わり」「生」「死」「発生」「消滅」の根本であると考えます。
病を治すの根本であり、診察や治療にも役たち、陰陽のバランスが崩れると病が発病し、健康でいるために陰陽バランスを保たないといけないです。
陰陽の対立
上記の表の通り
宇宙、時間、感覚、動きなどすべての物質や現象には「対立」の関係を持っています。
陰陽の依存(互根)ごこん
図のように対立してますが、お互いに依存し合っているのわかります。
陰の中に陽があり、陽の中に陰がある。片方だけ存在する事はなく、
喜びがなければ悲しみも存在しない、動がなければ静もないという事です。
陰陽消長&転化
「消長」とは
「消」は衰え、「長」は盛んな意味です。陰陽は1日単位や一年単位で常に変化しています。
上の太極図のように
どっちが盛んになるともう一方は衰えるという量の変化を消長と言います。
転化とは
重陰必陽,重陽必陰
*黄帝内経を引用
言葉の通り、
「陰が極まれば陽となり、陽が極まれば陰となる」
消長の「量」の変化に対し、転化は「質」の変化です。
陰陽は静止しないため、夏の後に必ず秋と冬が来ます、「量」が変化すれば、「質」も変わっていくという意味です。
五行説とは?
五行説は漢方医学理論の一つです。
上記の図のように
「木」「火」「土」「金」「水」の5つの基礎属性になり、
相手を「相生」助けたり、相手を「相克」抑制したりします。天地万物、森羅万象に起きる現象や人体の臓腑や組織などの変化を五行を使用して説明するのが漢方の五行説です。
五行の属性性質・特徴
・「木」
枝や幹がぐんぐん伸び、上へ外へと広がって行きます。生存するために多くに日光を浴びたり水分や栄養を取り入れようとします。
性質:高く広く伸びる
特徴:成長、発展、伸びやか、円滑、曲げ伸ばし
火は燃焼し、炎は熱や光を発し、空気の上昇や流動を引き起こします。
性質:上に向いて燃える、周りの空気を上に流動させる
特徴:発熱、立ち上る、炎上
大地そのもの、大地は万物を生み出し、育つ存在です。又は、万物は土に帰ります。つまり、土は万物を受け入れる性質があるわけです。
性質:大地、万物を育ち後には土に帰る、土に帰って新たな栄養になる。
特徴:養育、受納、変化
金属の事です。熱伝導がよく、清涼感を与えることもできます。汚れにくく事や火で加熱することによって自由自在に変形できる特徴もあります。
性質:冷たい、汚れにくくてキレイ
特徴:清潔、清涼、粛静
・「水」
液体の事です。水の特性は寒であり、冷たくて火を消す力があります。
性質:下に向かって流れる、うるおい、乾燥させない
特徴:下行、寒質、滋潤
五行説の相生&相克とは
簡単に言うと「相生」は助ける、「相克」は抑制する。相手を助け、促進する。
「木」→「火」→「土」→「金」→「水」→「木」→「火」。。。無限ループ
図の通りに木生火、火生土などそれぞれが
母子関係だと考えてもらった方がわかりやすいです。
木は火の母であり、火は木の子。火は土の母であり、土は火の子という考えです。
相克とは
相手をコントロールし抑制する。
*「克」は克服の意味ではない。
「木」→「土」、「土」→「水」、「水」→「火」、
「火」→「金」、「金」→「木」
木克土、土克水などそれぞれが父子関係と言っていいでしょう!子がやりすぎた時、父さんがコントロールし、うまく行かない時は母さんがと助けてあげるという考え方です。
ただし、お父さんがやりすぎて子供との関係が悪くなる事や子供が反抗期というのもありますよね。
五行説の相乗・相侮とは
図のように相乗は相克と同じ父子関係
しかし、お父さんが抑制しすぎて、子供の方が押されてしまうと異常状態になり、相乗になります。
例えば:
土がの勢いが強すぎて水を覆ってしまう(父がやりすぎ)水が不足すると、土が正常な状態でも水を覆ってしまう(子供が押されてる)
どっちが強かったり、不足したりしすぎると相乗になります。
相侮とは
相克関係の一種ですが、反克される状態(下克上と似たような感じ)
お父さんに対して子供が反克(反抗)する事です。
*図を見てもらった方が分かりやすいです。
例えば:土(父)に対して水(子)が強くなりすぎて、
逆に土(父)を克しまう状態です。
中国の古代自然哲学というのは本当にうまくできてますよね。
奥が深いと思いますが、興味ある人ぜひこの記事を読んで、漢方養生の知識を身につけて自分の健康や家族の健康を守ってください。これも漢方の基礎知識なので、資格取りたい人は覚えてください!!
ご愛読ありがとうございました
漢方養生の本場香港で育ちてられたロン毛が
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