更年期のお話は5回目になります。今までは更年期とは、更年期障害とは、月経トラブル、ホットフラッシュ、情緒不安定について話してきたので、まだみてない人はぜひご覧ください。
今日は恐らく最終話になります、更年期の後期に現れる泌尿器系のお話です。
では、早速本題に入ります。
更年期障害の泌尿器系トラブルとは
前の記事を見てない人のために重要なポイントを話ます、更年期は前期と後期があって、前期は閉経前、後期は閉経後になります。
前期は約4〜5年ほど続きますけど、後期は10〜15年ほど続くと言われています。
月経トラブルは前期に現れて、ホットフラッシュや情緒不安定は前期後期どっちも現れます、今日話す泌尿器系、膣炎、尿道炎というのは後期に出てくる症状になります。平均的には50代入ってから現れる症状だと思いますね。
女性が50代に入り、完全に閉経した後に女性ホルモンの分泌が少しずつ減っていきます、ということは潤い能力が低下することです。
お肌の弾力が減り、表面や粘膜の部分は薄くなり、縮んでしまいます。生殖器、膣は乾燥しやすくなり、膣炎、痒み、痛み、膀胱や尿道が緩くなり、泌尿器系の感染症を感染する可能性が高くなります。
そして、小便を我慢できなくなったり、頻尿になったり、夜中に何回も起きてトイレ行くことになったりします。
尿道の不調
漢方では尿道と膣の不調をどう考えているかについて話していきます。
まず尿道のほうから話しますね、尿道に関しての不調はよくあるのは、失禁、頻尿、尿意がよくくるなどがあります、
漢方では、4タイプで分けて考えます。
・腎陰虚
・腎気不固
・肝鬱
・湿熱
腎陰虚
このタイプの人は
・頻繁に小便する
・残尿感がある
・尿の色が黄色い
・尿が熱を持っている、
・腰膝がだるい
・手足が暑い
・めまい
・耳鳴り
・舌が赤くて苔が少ない
のが特徴です。
このタイプの人は、腎を補う黒い食材がオススメです、
例えば
・昆布
・わかめ
・海苔
・黒ごま
・黒キクラゲ
・黒豆
など、または
・えび
・くるみ
・栗
もいいです。
そして、陰を補ってくれるクコのみ茶がとてもオススメです。
腎に関するツボは湧泉、関元、腎兪が有名ですね
湧泉は足の裏の正中線の前半3分の1のところにあります、
関元はおへそから下、指4本分のところです、
腎兪はおへその真後ろから左右指2本分のところにあります。
それぞれお灸を乗せて温めるのもいいし、グルグルと回しながら押すのもいいです。
目安としてお灸は15〜20分、押すなら5〜10分ほどがいいと思います。
腎気不固
このタイプの人は
・我慢できなくて失禁しやすい
・頻繁に尿意がくる
・尿は透明で量が多い
・疲れやすくて寒がり
・足腰膝がだるい
・足は脱力感を感じる
という特徴があります。
このタイプの人は食材としては先の腎陰虚とほぼ同じです、正直腎を補うのは食べ物だけじゃ力不足なので、一番いいのは中医師にみてもらって漢方薬を飲みながら食事を見直すのがいいと思います。
または、経済的に余裕がある人は冬虫夏草のサプリを飲んでみるといいと思います、腎の陽気を補ってくれるので結構オススメです。
私は2年ほど飲んでいて、鼻炎が直りましたし、結構弱ってた体はだいぶ丈夫に戻ってきました。
そして、腹式呼吸を生活の中に取り入れたほうがいいと思います。
しっかりお腹の奥まで気を吸い込むことによって腎の気を多少補うことはできると思います。
腹式呼吸のやり方はぜひこちらの動画をご覧ください。
肝鬱
このタイプは、
・緊張や興奮、笑う時に失禁しやすい傾向があります
・情緒が不安定
・憂鬱気味
・胸やお腹が張る
・気付いたらため息ばかりしている
のが特徴です。
気が滞っているので、陳皮茶、玫瑰茶、ラベンダー茶などのハープティーがオススメです。
またはみかん、オレンジ、大根も気の巡りをよくしてくれるのでいいと思います。
ツボは足三里、太衝がオススメです。
足三里はこちらの動画を参考にしてください
太衝は親指と人差し指の交差点から指3本分のところにあります。
写真引用:香港蘋果日報
湿熱
このタイプの人は、
・頻繁に便意がくる
・尿道が暑く感じる
・小便する時に痛みを感じる
・尿が黄色い
・尿を出しにくい時がある
・口が乾きやすくて
・口の中に苦い味がする
のが特徴です。
このタイプも基本的に中医師に見てもらって漢方薬を処方してもらった法がいいです。食べ物だと、あずきスープ、冬瓜スープがオススメです。
そして、タバコ、お酒はやめてください。味が濃いもの、脂っこいもの、揚げ物などもしばらく控えた法がいいです。
お茶はスイカズラ茶、菊茶がいいと思います。
これらは尿道の不調によくある4タイプでした
膣の不調・4大タイプ
・肝腎陰虚・血虚風燥・下焦湿熱・胞宮虚寒です。
肝腎陰虚
このタイプの人は、
・陰部が乾燥しやすい
・熱を感じて痒い
・夕方から痒みが強くな
・手足が暑い
・めまい
・耳鳴り
・汗かきやすい
・口が乾くけど水分は取りたくない
・足腰がだるい
という特徴があります。
陰虚なので、辛いもの、揚げ物、香辛料など陰を消耗してしまうような食べ物は控えたほうがいいです。
このタイプの人は恐らく胃腸が弱ってると思うので、
・山芋
・さつまいも
・ジャガイモのいも類
を食事に取り入れて、そして、腎を補うもの、
例えば
・ごま
・くるみ
・栗
・ホタテ
・羊肉
・クコのみ
がオススメです。
ツボは三陰交と腎兪がいいですね。
三陰交の場所は足の内側にあります、足首の骨から上指4本分のところにありますね。
腎兪はおへその真後ろから左右指2本分のところにあります。
腎兪は自分で押しにくいと思うので、ホットタオルで温めてあげてください。
血虚風燥
このタイプの人は
・陰部が乾燥する
・酷い場合はカサカサになる
・痒みがあって、夕方以降に悪化しやすい
・めまい
・睡眠障害
・物忘れが激しい
・夢が多くみる
・顔色が黄色い
・大便が乾燥していて硬い
のが特徴です。
血虚は風を生んで、風燥になるわけなので、まず血を補った方がいいです。
特にこのタイプの場合は食事よりはお茶の方が効果が出やすいと思います、
ナツメ+クコのみ茶。菊+ナツメ+クコのみ茶などがよく使われます。
もし痒みと乾燥が酷い場合は速やかに漢方の中医師に見てもらった方がいいと思いますね。
下焦湿熱
このタイプの人は
・陰部が痛痒い
・おりものが多くて黄色っぽい
・酷い場合は濁っているように見える時もある
・おりものが魚臭い
・胸に圧迫感を感じる
・口が苦い味がする
・小便が黄色い
のが特徴です。
まず下焦というのは、大腸、膀胱、女性だと子宮ですね、湿と熱がこもっている状態です。このタイプは結構厄介です。食事を結構気をつけないといけないタイプです。
辛いもの、揚げ物はもちろん、甘いもの、冷たいもの、脂っこいもの、お酒、タバコもしばらく控えた方がいいです。本当にお粥や和食メインになります。
食材は、
・冬瓜
・もやし
・レンコン
・きゅうり
・梨
・スイカ
などがオススメです
お茶は、菊茶、緑茶、蓮の葉茶がいいと思いますね。熱を冷ましてくれます。
胞宮虚寒
このタイプは
・おりものの量が多い
・おりものは透明または卵白のような色をしている
・匂わない
・腰やお腹、下半身が冷えていて痛い時がある
・頻繁に小便する
・夜中にトイレのために起きる場合がある
のが特徴です。
このタイプの人はまず、火を使わないお灸がオススメです。
おへそから下指2本分のところにある気海というツボに貼っといてください。
温めてくれて気血の巡りもよくしてくれます。
またはおへそより下指4本分にある関元に貼るのもいいです。
この関元は別に不調がなくても女性のケアとして20代から使えるツボなので、とてもオススメです。
そして、食事は生もの、冷たいもの、生野菜サラダなどは絶対食べないようにしてください。暖かいものにしましょう。
お茶は、ナツメ茶、もし龍眼肉があれば足すとなおいいです。
あとは生姜湯を朝ご飯のお供にオススメです。
正直、どのタイプもセルフケアじゃ中々改善するのに時間がかかるし、効果を感じにくいです。もし本当にしんどいと思ったら中医師にみてもらって漢方薬と食事や生活習慣、この3つで改善した方がいいと思います。
では、ご愛読ありがとうございました
漢方養生の本場香港で育ちてられたロン毛が
本場の養生を分かりやすく解説する動画をどうぞ
小学生でも分かるようにクセのある日本語でお伝えします。