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中国の古典「黄帝内経」の五臓解説【初心者でも分かる】

黄帝内経の五臓六腑解説
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こんにちは、ロン毛メガネです。

本記事の内容
中国黄帝内経の五臓の解説

東洋医学の古典である黄帝内経を分かりやすく解説します。

漢方の勉強を始めたい人はぜひ読んでみてください。必ず役に立つはずです。

中国黄帝内経の「肝」簡単解説


肝についての文章を引用して解説していきます。

liver-1

「肝受血而能視,足受血而能步,掌受血而能握,指受血而能攝」

肝が血を調達し目は見えるようになり、

足は歩けるようになり、掌と指は物を持ち、掴むことができるように。

問題:肝は気を巡らせるのに血を調達するってどういう事?

liver-power

答え:気は血を押しながら一緒に全身を巡っているため、

漢方ではよく「気血」という言葉を使っています。

気と血は別々なものですが、その一方、わけられない存在でもあります。

漢方豆知識 – 女性は肝を先天とする

漢方の「肝」の疏泄と蔵血は女性の月経(生理)と深く関わっています。

生理前にイライラするという女性は少なくないと思いますが、それは疏泄がうまく行かず気の巡りが滞って、同時に血の流れも悪くなっている証拠です。悪化すると生理の周期がバラバラになったり、又は生理がこなくなったりするわけです。それで、女性は生まれてから「肝」をケアしないといけないわけです。

次は「怒」についてちょっと触れたいと思います。

「怒」とは

liver-anger

「肝氣虚則恐,實則怒」

「肝」が気を出しすぎる(疏泄しすぎ)と人はちょっとした事でもイライラして

怒ってしまう逆に疏泄がうまくいかず気が滞ってしまうと人は元気が無くて鬱(うつ)になりやすいである。

そして、「怒傷肝」という言葉もあり、
liver-hurt

怒りすぎると「肝」を傷めてしまい、悪循環にハマります。

なので、適切なストレス発散や睡眠は「肝」の養生にとってはとても大切です。無理な残業や夜更かしはやめましょう。

さらに、

怒った事がある人は分かりますが、
イライラしてる時や怒ってる時は食欲あまりないと思います。
それは「肝」と「脾」は相克関係だからです。

「黄帝内経」引用まとめ

1.「肝」は将軍である。
2.  気血はわけられない存在、「肝」はそれらをコントロールする。
3.  女性は「肝」養生をすべき。
4.  怒りやストレス、夜更かしは「肝」を傷めてしまう。 

「心」についての解説

heart

「五臓六腑之大主也。是精神之所舎也」

五臓六腑の*主宰*精神の根元である。

主宰とは全てを取りまとめる事。
ここの精神は私たちの思考、意識などの精神活動のことです。

さすが「君主」ですね!!

次は「喜」についてちょっと触れたいと思います。

「喜」とは

heart-happy

「喜」は気血の流れを正常にスムーズにさせる事。

日本の四字熟語にも「喜色満面」、「歓天喜地」などの表現がありますよね
とてもいい感情です。

ただし、

喜びすぎると心神が異常状態になりやすいので要注意ですよ

「狂喜乱舞」という四字熟語聞いた事がありますか?

「狂喜」は喜びすぎて正気を失い
「乱舞」は乱れて狂ったように踊る様子

正気を失い、「心気」をまとめる事ができなくなり、「心」を傷めてしまう。

「過喜傷心」
とも言います。

「黄帝内経」引用まとめ

1.「心」は五臓六腑の皇帝である。
2.  心神、意識、感情、精神と関係が深い。
3. 気血の流れが「喜」に左右される事もある。

「脾」についての解説

黄帝内経の中よく「脾胃」という言葉を使います、ゆえに「脾」と「胃」の関係性はとても深いと考えられますね。

さらに「脾」についてこんな言葉もありました↓

spleen

「脾爲後天之本」

他の記事にも話しましたが、先天は生まれつき、父母からもらった物。

後天は生まれてから後で身につく物。

この言葉が「脾」の重要性や
私たちの飲食習慣はどれほど健康に影響しているのかを示してくれましたね。

次は「思」につてちょっと触れたいと思います。

「思」とは

spleen-thought

ここの「思」は思い悩む想像物事についての考えるといった意味です。

そして、こんな言葉もあります↓

spleen-thinking

物事について考えすぎたり、悩みすぎたりする事ですね考えすぎ、悩みすぎは「脾」を傷めてしまい、

「脾」の機能を正常に働かなくなりますよ。

現代には色々悩んでたり、考えすぎてたりするのも仕方がないかもしれないですが、家族や友たちや先輩後輩に相談したり、お話を聞いてもらったりして発散した方が心身健康のためにもなります。

「黄帝内経」引用まとめ

1.脾は倉廩の官。食べ物(栄養)を管理する。
2.脾は後天(生まれてから)ケアすべき。
3.考えすぎや悩むすぎは「脾」を傷めてしまう。

「肺」についての解説

黄帝内経の中にはこんな言葉があります↓
lung
「治節出焉」

治節とは調節と納め体内の他の臓腑をコントロールすることです。

例えば:
栄養物を作るのは「脾」ですが、作られた栄養物はどうなるかというと、
「肺」に送り、「肺」がその分量を調節し、各臓腑に調達している。
さらに「心」を補佐し、気を推動して血脈を正常に流れるようにしています。
なので、「肺朝百脈、助心行血」という言葉があります。↓

lung-function

次は、「調理全身水液」

ここの調理とは調節の意味です。

全身の水液とは、血液以外の水分です。

水液をコントロールし、老廃物を排出してくれています。

例えば、汗、尿など。それで、夏はいっぱい汗かく時は尿の量は少ない、逆に冬になると汗かかないから尿の量は多くなります。

足や顔、目などのむくみは恐らく肺が不調が出ている可能性が大きいとも言われますね。

黄帝内経」引用まとめ

1.「肺」は丞相である。
2.「心」を補佐し、他の臓腑をコントロールする。
3. 気血と水液も管理し、調節している

「腎」についての解説

黄帝内経の中にこんな言葉があります↓
kidney-base

生命の源は母の陰血と父の陽気であり、それは先天の精という。

先天の精は「腎」に宿り、は私たちの成長に深く関わります。そして、人の成長を10歳ごとに一段階としています。
kidney-10yearsold
10歳になると、五臓や気血が成長し始めます。

「其氣在下」とは先天の精気を蓄えている腎も発育し始め、徐々に強くなってきたという事です。だから、子供は活発ではしゃいで走り回るのが好きなわけです。

kidney-20yearsold

20歳になると気血が盛んになり、肌肉もある程度に成長してきて、30歳までの成長がとても早いです。

kidney-30yearsold

30歳になると五臓が安定し、肌肉も強くなり、血脈は満タンの状態で一歩一歩が力強くて安定します。

kidney-40yearsold

40歳になると五臓六腑経絡血脈など全部が全盛期に達し少しずつ衰えていき、キラキラしたオーラが消え始め、白髪が出始めます。

20代30代の時と比べてあまり動きたくなくなり、疲れやすくなる頃でしょう。

さらに、こんな言葉があります↓

kidney-40yearsold2

「陽気自半」

陽気は腎気の事です、先天の気が半分まで減り、人は衰えてゆくという意味です。

なので、40歳からはちゃんとケア(養生)しないといけないです。

黄帝内経には50~80歳までの事を書いてありますが、とても長くなるので、今回は40歳までにしときます。

これで、五臓の黄帝内経簡単解説は全部終わります。

分かるようで分からないようでしょう。

少しずつでいいので、自分やご家族の体調、症状を観察してみてください。

必ず陰陽五行、五臓につながります。

 

ご愛読ありがとうございました。

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